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ツイてるわたし。

トリセノックスでの地固めが今日で終了した。

思えば長かったこの抗がん剤とのつきあい。
「再発」と聞かされてからこの薬の大きな(危険な)副作用である
心不全で危ないことになるかもしれないという説明を受けて
恐怖感にいっぱいになったっけ。
QT延長症候群という心電図異常で、失神発作や急死する場合もあるもの。

白血病で死ぬんじゃなくて心不全かよ、みたいなビビリ感に包まれた。
「突然死ぬ」という意味で怖かった。

だけど終わってみれば約4ヶ月間の投与に耐え抜くことが出来た。
最初の頃こそQT延長の波形の疑いが少し出たと言っていたけれど、
その後、主治医はずっと「心臓はビクともして無いよ」と言ってくれた。

看護師さんたちが言ってくれた。
「いままで何人かは途中で中止になってしまった。
だから最後までやり遂げられてホント良かったですね」

そういえば(いや、今までもなんどか振り返ったけれど)
私はツイていた。

あと1ヶ月放っておいたら死んでいたといわれる状況を、素晴らしい医師と出会えて発見してもらった。そしてその医師のおかげで緊急入院するまでがものすごく速いスピードで動いた。

そして重篤な副作用が出る人もいるベサノイドを無事に飲むことが出来た。キロサイドでは薬疹は出たけれど大きな粘膜障害も出なかった。

口内炎にもほとんど悩まされなかった。これはもちろん真剣にうがいなどに取り組んだ自分もいたけれど。

吐き気もあったけど、なんとか食べることが出来て栄養点滴を避けることが出来た。髪の毛は・・・まぁ、つるっぱげになったけど、それは私自身が腹をくくっていたので大して気にしなかった。

あとはなんだろう・・・とにかくツイている。

もちろんこんな病気にならなきゃもっとラッキー。だけど、同じ病気で闘ってる人たちの話を読むにつけ、私がいかにツイているのか実感する。

そりゃぁ再発を告知されたときは、最初に発症を告知されたときと比較にならないほどどん底まで落ちこんだ。でもさ、考えようによっては再発したことで私はもっと強くなったように気がする。

家族や人を思う気持ちや、その人たちとの関わり方を含めて何が大切なのか良く知ることが出来たし。

うん。今日は振り返って心から思ったよ。幸せものだ、ワタシ。




逆に思うのは、自分自身にわがままになろうかなということ。ずっと生きるつもりだけど、もし短かったらということを想像したときに、時間の使い方を考えることがある。

この数ヶ月のうちに、こちらが心を寄せても相手から傷つけられてしまったある出来事があった。以前のワタシならそれでも自分からヘラヘラして時間が解決して元通りになるだろう、それが昔から繰り返された二人の関係のはず、と思ったかもしんない。

でもね、もしも私の人生があまり長くないものだとしたらね、そんな人にまたこちらから心を砕くことがなんて無駄なんだろうと感じてしまった。何度もこんなことを繰り返す人に、無償の愛みたいな愛情をそそぐのはもうやめようと。正直こころのどこかでは、それをとても悲しいことだと思ってるんだけど。

でもそんなこと言ってられない。そんな無駄な時間を過ごすくらいなら、もっと有効に時間と心を使いたいと。



両親にはそんな時間をいくら割いても足りないんだろうなぁ。
元気になってバリバリ働いて楽させてあげないとなぁ。
そんな親に対する気持ちに気づけたのも、もしやこの病気のおかげかもしれないね。

今日までのところ、ツイてる私のマトメでした。